宇佐先生への八つの質問
宇佐先生への質問 1
2020年2月末現在の新型コロナウイルス感染症COVID-19の世界的感染拡大という状況について、宇佐先生はどのように感じておられますでしょうか。
宇佐晋一先生
専門家の意見をきいて、先手先手の対策を講じなければなりません。やはり3月は外出をひかえ、必要最小限の買いものですませるべきで、手を洗うこと、消毒、うがい、マスクなど面倒ですが、実行しなければ危いです。
宇佐先生への質問 2
世界中で自然災害が発生しています。世界の気温は高くなり続けています。 有史以来、人間が自然界に対して行ってきた事柄と、人間がこうむる自然災害について、 宇佐先生は、どのように感じておられますでしょうか。
宇佐晋一先生
人間は災害の経験から、それを予知する方法や対策をたてることができますから、想定内で防災につとめることが大事です。
想定外の自然災害には対処しきれません。
宇佐先生への質問 3
今後、次の世紀にわたって、神経症を治すことができるのは、薬ではなく宗教でしょうか。
宇佐晋一先生
宗教がよい働きをするでしょうが、宗教の欠点は診断が抜けているということです。
やはり精神医学的に十分な診断をした上で、 宗教をふまえた森田療法が行われるのが一番よろしい。
宇佐先生への質問 4
外国の方々は、神経症問題をどのようにして解決しておられるのでしょうか。
宇佐晋一先生
ことばのない「あるがまま」を体得して治られたのです。ことばを使う常識的な考えによる治療では到底うまく行きません。
森田療法では日本語がわからない外国の人にも効果的なのです。
宇佐先生への質問 5
自分の手足は自分のものではないのでしょうか。
自分の脳は自分のものではないのでしょうか。
私は私のものではないのでしょうか。
宇佐晋一先生
自分の「手足」「脳」「私」は、それを概念化することで悩みを生じます。そこからは、いくら工夫しても治りません。
自分とか心とか、いうまえに他者意識のなかで他人相手に生活すれば、全治があるばかりです。
宇佐先生への質問 6
「おなかで飲む薬」というのは、どのような薬でしょうか。
宇佐晋一先生
口でのまないで効く薬というものです。
実は現在、抗不安剤を使うのが神経症性障害の治療の主流となっていますが、不安を消すやり方では治らないのです。
症状をそのまま丸ごとのんでこそ全治するのです。「おなかで飲む薬」は、いいかえれば症状が薬ということと同じで、だれでも今すぐにできることです。
宇佐先生への質問 7
宇佐先生の講話を聴いて自分を向上させようとするのは脱線でしょうか。
宇佐晋一先生
脱線ではなく、向上の姿は全治そのものです。どのようにしたら皆さんのお役に立つか工夫し、計画し、実行して、感謝を忘れなければ上等です。
このように、つねに他者意識のなかで考えていれば、全治しないでいることはできません。
宇佐先生への質問 8
これから生まれてくる世界の子どもたちが、15歳になって悩んだとき、宇佐先生がアドバイスをされるとしたら、どのような言葉をかけておあげになりますでしょうか。
宇佐晋一先生
アドバイスとしては、
① 悩みはもっともである。
② ことばや考えは自分を救うためには役立たないので、どんなに考え方を変えても悩みはなくならない。
③ ことばや考え(知性)は精神の外部機構なので、自分について使うのをやめ、外の世界に向かってのみ使うこと。
④ すぐ今しなければならないことはなにかと考え、他人に少しでもお役にたつことに手を出すこと。
⑤ 他人や周囲の組織の恩恵に感謝していくこと。
2020.2.29