宇佐先生への質問
令和2年5月10日(日曜)の三省会例会は中止となりましたが、宇佐先生、いかがお過ごしでしょうか。メッセージがございましたらお伝えください。
宇佐晋一先生
緊急事態における心のケアについて
今は全国に緊急事態宣言が出されて、先のことがはっきりしない不安の多い閉塞感のなかで、ひたすらお家のなかで辛抱の生活を送っていらっしゃることでしょう。身体的な一日中の予防対策はどうしても必要なことで、ゆるがせにはできません。それとともに心のケアが叫ばれて、いかにももっともな方針が示されていますが、心についてはよっぽどその言葉に用心しないとひっかかって逆に悩みが増すことにもなりかねません。
私の知り合いの精神科医がテレビで「ストレスを溜めこまないように」と忠告していましたが、それを聞いた人びとが毎日ストレスだらけの生活ですから、すこしでもストレスを減らそうとして自分に工夫をし始めますと、悪いと思うストレスに対抗する心の葛藤が起こり、減りそうにないストレスをなんとかしようとして苦しさが増し、それがまたストレスになって、どうにもならなくなってしまうのです。心の問題には本当はなにも手出しをしなくてもよろしいので、筋の通った正論には耳を貸さないで、心のなり行きどおりにほっておけば、いつもかもあるがままの真実の状態ばかりで、すこしもひっかかることなく、生活して行けます。
そこで真にとらわれのない健康な心の状態とは、一切自分を言葉に置きかえずに、その日の困難な情勢のまっ只中で、ビクビク、ハラハラ、ヒヤヒヤ、ドキドキ 戦々兢々として 公共生活に骨折り、お互いに協力して、この緊急の多い、かつ非日常の事態に対処していけば満点なのです。
2020.4.30